この驚くべき傲慢

　　　この驚くべき傲慢
　
安倍さんの遺産が、又ひとつ消えた。　
放送法改正案のうち、捏造放送をした局への、行政処分導入が見送られることになったそうよ。
番組を捏造してもお咎めなしって言うんだから、もう、偏向報道なんか目じゃないわね。
　
　その理由が振るってる。
「言論の自由の侵害」につながると、放送局が猛反発したからですって。
ふん、東国原知事が、徴兵制が必要と言っただけで、大騒ぎしたのはどこの誰？
　安倍内閣の閣僚の言葉尻を捉えて、叩きまくったのは誰よ。
古くは、石原都知事の三国人発言もあったっけ。　
これすべて、立派な言論の自由の侵害じゃないの？　
　赤福や不二家の偽装を口汚く非難しながら、自分たちの捏造だけは、許されるという根拠をぜひ知りたいものよ。

　安倍首相を引き摺り下ろし、今や、政治も国民の心も、意のままと、図に乗るマスコミとテレビ。
彼らはなぜここまで傲慢になれるのかしら。　
　
先日、キリストの幕屋のクリスマス集会に参加して、世界で一番有名だという賛美歌、アメージング　グレイス（驚くべき恵み）を聴いた時、そのわけが判った気がしたわ。

　　　アメージング　グレイス
１、驚くべき恵み　甘美な響きよ　　
救われし我の如き哀れな者にとりて！　
一度見失われし我は、今見出されぬ　
　目しいでありし我、今は見えてあり。
２、わが心に畏敬すべきを教えしも恵み　
　我が数多の恐れを救いしも恵みなりき
恵みの出現！何たる勿体無さにてありしか　
　信仰の目開かれし始めの時よ！

　この詩を作ったジョン、ニュートンは奴隷貿易の船長だったが、ある航海で嵐に遭い、奇跡的に助かる。
これが彼の人生を変えた。　その後船を降り、伝道者になったのだ。
彼は畏れを知り、自分の愚かさと無力を知ったのよ。

　戦後、宗教心を失った日本人の、心の空洞に入り込んだのは、共産主義と民主主義。
神を否定する共産主義は当然のこと、民主主義だって、宗教心が無ければ、結局、一番偉いのは自分でしかないのよ。
そこに謙虚さの入る余地は無いし、人を貶め、切って捨てても何の後ろめたさも無い。
それどころか、他者を否定して初めて、自分の存在を実感できるのかも知れないわ。

　そう、マスコミの驚くべき傲慢さは、畏れを知らぬ心のなせる業。
自分は正しく、何もかも知っていると錯覚し、実は何一つ見えていない愚か者が、浅はかにも、自分を神の位置に据えてしまったため起こった笑えない喜劇なのよ。

　日本人が昔のように宗教心を取り戻さない限り、永遠にこの喜劇の幕は降りないわね。
　　　　　　　　（玲）